野生動物と林業をつなげる

雑談

はじめに

広葉樹林・キビタキ

はじめまして、野生動物と林業をつなげるブロク、略してやどりぎです。どうぞよろしくお願いします。
 初回の記事では本ブログのタイトル「野生動物と林業をつなぐ」の意味と、このサイトのねらいについてご紹介したいと思います!

野生動物と林業をつなぐとは?

 野生動物と林業…この2つにはどんな関係があるのでしょうか。近年、日本では人工林の放置が深刻な問題となっています。国土交通省が2011年に行ったアンケート調査によると、森林所持者の約8割が放置しているとのことでした。

国土交通省 (2011) 「在村所有者に対する インターネットアンケート調査結果」

 それではなぜ人工林は放置されてしまうのでしょうか。その理由としては、①林業を生業にしても現在は利益が出にくいこと ②野生動物被害による経営意欲の低下 の2点が大きな理由だと筆者は考えます。

 まずは①林業を生業にしても現在は利益が出にくいことについて説明します。簡単に言うと、木材を売ることによる利益よりも、施業にかかるコストの方がかかってしまうのです。日本には急峻な山が多いので、森林施業をするのには労力がかかります。それに加えて、いまは木材の価値がピーク時よりも大幅に下落したため(図は後日作成します)、売ってもお金がもらえないという状況になっています。これが人工林の放置につながってしまうのです。

 次に②野生動物被害による経営意欲の低下について説明します。林業被害を引き起こす野生動物としては主にニホンジカがあげられます。

「令和2年度における主要な野生鳥獣による森林被害面積」
林野庁(2021) https://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/tyouju.html

 特に深刻なのは植栽木が食べられてしまうことです。せっかく植えた植栽木が採食されてダメになってしまうので、森林所有者の経営意欲の低下につながります。すると、皆伐をして植栽をした場所が草地のまま放置されたり、伐採すらしなくなるという状況につながります。その結果、人工林が放置されてしまうのです。

 以上で見てきた2つの要因が相互作用して人工林放置問題を加速させているといえるでしょう。この状況を打開するには、利益が出るような森林施業の方法をとりつつ、野生動物の対策を行うことが必要になってきます。つまり、日本の人工林を管理するには、野生動物分野と林業分野をつなげた対策を行う必要があるのです。

このサイトのねらい

 「野生動物と林業」に関して具体的な対策を取り上げ、考えていくのが本サイトの目的です。ワイルドライフマネジメントについて勉強している<フォレスダ>と、林業施業について勉強している<ぴるつ>がご紹介します。そのほか、
・野生動物や林業に関する論文のレビュー
・よく出てくる専門用語の解説
・森林管理で用いるQGISやRなどの使い方
・山でおすすめの道具の紹介 
など、関連する記事もたくさん書いていきたいと思います!
 このブロクを通して、読者のみなさんと一緒に成長していけたらいいなと思っています、どうぞよろしくお願いします!

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